ミノキシジルは、その絶大な効果から今ではAGA治療の必需薬となっていますね。
頭皮に直接塗布するタイプの発毛剤、育毛剤には、必ず主成分として使われ、内服タイプの錠剤は、専門クリニックや病院でも積極的に処方されて、多くのハゲを救っています。
そこで今回は、あなたが現在お世話になっている、もしくは今後お世話になるであろうミノキシジルについて、徹底的に解説していきたいと思います!
ミノキシジルの歴史
ミノキシジルとは、1960年代にアップジョン社(現在のファイザー)によって高血圧症患者の血圧を下げる降圧薬として開発された成分で、ロテニンという薬品名で売り出されました。
※ミノキシジルとは、成分の名称であって、薬品名ではありません。
ミノキシジルが持つ作用のメカニズムとしては、血管を支える筋肉を柔らかくすることで、血管を拡張させ、血圧を下げる(血流を向上させる)というになります。
ですが、その副作用として髪の毛を含む全身の体毛が濃くなるという症状が確認されたため、薄毛改善の治療薬(AGA治療薬)としても使用されるようになりました。
そのなかで、内服薬としては発毛効果は大いにあったものの、わずかながらも副作用(血圧低下、動悸、息切れ、頭痛など)が見られたため、1980年代にアップジョン社(現在のファイザー)から、副作用のリスクが低い外用薬(頭皮に直接塗布するタイプ)として新たに発売されました。
これが、世界第一号の発毛剤『ロゲイン(ミノキシジル成分2%)』の誕生となりました。
※ロテニン(内服薬)はAGA治療薬として転用されていただけで、あくまで降圧剤とされています。
日本では、アップジョン社と技術導入契約を結んだ大正製薬から、1999年に「リアップ(ミノキシジル成分1%)」が発売され、その効果はさておき、爆発的な人気を博しました。
その後、2005年には薄毛に悩む女性用の発毛剤「リアップレディ」が、2008年には頭皮環境を整える成分を配合した「リアッププラス」が発売されました。
そして、ついに2009年に、それまで1%だったミノキシジル濃度を5%にまでアップした「リアップX5」が発売され、話題となりました。
実際、ミノキシジル1%の発毛剤で、ハゲが治ったなんて、私は聞いたことがありませんでしたし、私は心の中で、
と思ったものでした。
2018年に特許存続期間が切れて後発医薬品が解禁されて以降は、他メーカーも参入するようになり、同年8月にアンファーから「スカルプD メディカルミノキ5」が、同年11月にはロート製薬から「リグロEX5」、東和薬品から「ミノアップ」という商品がそれぞれ発売され、市場を賑わせています。
また、内服薬の『ロテニン』については、特許が切れた以降、ミノキシジルタブレット、ロニタブなど、多くのジェネリック品が発売されています。
国内のAGA専門クリニックや病院でも、AGA治療薬として積極的に使用されています。
私たちも個人輸入によって手に入れて服用することは可能ですが、まれだとは言っても副作用や持病、体質の問題もありますので、医師の指導のもと使用すべき薬品になります。
元々は降圧剤のミノキシジルが発毛に効果を発揮するメカニズム
血圧降下剤であるミノキシジルが発毛効果を有する理由としては、ノキシジルが持つ血管拡張効果で、毛細血管を広げ血液の流れをスムーズにすることで、髪の毛に栄養が行き届かせ、髪の毛の元となる毛乳頭や毛母細胞を活性化させます。
また、髪の毛の成長を促す毛乳頭細胞に働きかけ、ヘアサイクル(毛周期)を延長させる働きも認められています。
これらの作用によって、ミノキシジルは発毛を促進させてくれるのです。
わかりやすいように、工程別に並べてみますと・・・
ミノキシジルが持つ血管拡張作用によって血管が拡張する。
➡ 血管が拡張することによって血行が良くなり、血流(血液を送り込む量)が増える。
➡ 送り込む血液量が増えたことによって十分な栄養が毛髪や体毛に行き渡る。
➡ 毛母細胞が活性化して発毛効果に繋がる。
血管を拡張させることによって、結果としてこのような効果が生まれるというわけです。
逆にいえば・・・
ミノキシジルはどこで買えるの?
外用薬の場合は国内でも認可されており、ミノキシジル濃度5%以下の商品なら、医師による診断・処方がなくても購入できます。
たいていのドラッグストアには特設コーナーが設けられ、多くの商品が並んでいますし、ネットショッピングでは数えきれないほどの種類があります。
また、医師の診察と処方があれば5%を超える濃度のものでも手に入ります。
また、海外製の商品なら、個人輸入経由で、5%どころか、10%、15% の商品も手に入ります。
『個人輸入』と聞けばなんか小難しそうな感じですが、個人輸入代行というサービスを行っている業者(会社)がありますので、ネット環境さえあれば誰でもかんたんに購入することができます。
ミノキシジルの内服薬については、は日本では2020年現在、薬事承認が得られていません。
しかし厚生労働省より、医師の責任において海外から輸入して処方することは認められていますので、AGA治療を行っている病院や専門クリニックで処方してもらうことができます。
また、こちらも輸入代行業者を通して購入すれば、専門クリニックなどで処方してもらうよりもはるかに安く手に入れることができます。
ですが、副作用、持病との関係、体質などの多くの問題が付いて回りますので、医師に経過観察してもらいながらでないと、服用は危険だと考えてください。
AGA(ハゲ)は生命に直接かかわる病気ではありませんので、保険適用外ですので、高額になってしまい、リスクを冒してでも個人輸入で購入する方が増えてきていますが、安心を買うと思って、専門医に処方してもらいましょう。
また、現在ではAGAクリニックの競争が非常に激(ハゲ)しくなっていますので、ジェネリック品を積極的に使用するなどの営業努力によって、かなり低価格で治療してくれるクリニックも増えていますので、是非活用ください。
ミノキシジルの摂取方法
頭皮に塗布する外用薬は、有効成分(ミノキシジル)が皮膚から直接浸透して毛根まで届くことで効果を発揮します。
種類は様々で、液状、ローション、クリームなどのものを指の腹で頭皮をマッサージするように塗り込むタイプや、スプレータイプのものなどがりあります。
ですが、蒸発してしまったり、生き残っている髪の毛に付着したりして残留しますので、それなりのロスが出てしまいます。
一方、内服薬は錠剤を飲めば、血液によって毛乳頭へと運ばれ、効果をあらわします。
このことから、内服薬の方が外用薬よりも高い発毛効果が期待できるのは明確ですね。
さらには頭皮に直接ミノキシジルを局部注射するという最強の投与方法もありますが、
一部の専門クリニックだけで行われているだけで、まだ一般的な治療法として広く行われてはいないようです。
ミノキシジルの副作用、注意事項
このように、効果抜群のミノキシジルですが、美しい花には棘があるように、少ないながらも副作用がみられます。
まず、育毛・発毛剤、シャンプーなどによって頭皮からミノキシジルを摂取した場合についての副作用は、肌が弱い方に皮膚の炎症やかぶれやかゆみが生じた程度で、深刻な副作用はないと言えるようです。
また、ミノキシジル濃度が高いほど、皮膚の炎症やかぶれやかゆみが生じる傾向があるようです。
そして、服用薬の場合は、わずか数%ではありますが、頭痛やめまい、動悸などがあるとされています。
また、ミノキシジルは元々が血管を拡張させて血圧を下げる作用がある成分ですので、血圧降下の危険もあります。
普段から低血圧で悩んでいる方であれば、さらに下がってしまう可能性がありますし、今現在高血圧症の薬を服用している方であれば、効果が二重になってしまいますので、AGA治療に踏み切る際には、必ず医師に相談するようにしましょう。
また、内服の場合、ミノキシジルの発毛効果は頭髪だけにとどまらない可能性は大いにあります。
有効成分が血液によって全身に届けられるわけですから、これは避けては通れません。
私の場合は、服用前には全く毛が生えていなかったはずの、手の甲、指に薄っすらと毛が生えてきました。
知人の中には、胸毛が急成長したり、腕毛が濃くなったりと、新たな悩みを抱える人もいましたが、ハゲを克服した喜びの方がはるかに上回っているようでした。
まとめ
ミノキシジルを内服することで、血圧は安定したし、髪の毛も生えてきたという、一石二鳥な効果を得た人も確かに多く存在します。
ですが、
美しい花には棘がある
諸刃の剣
のように、副作用に悩まされる方がわずかでも存在するのも事実です。
あなたが、ハゲを克服したいと強く願うのは、ハゲを克服した後の輝かしい未来を思ってのことに違いありませんよね?
髪の毛は生えたとしても、健康を害してしまえば、すべてが台無しになってしまいます。
そうならないために、しっかりとした知識を身に付けて、安心してAGA治療に励んでくださいね。