数年前からテレビCMやネット広告などでも頻繁に見かけるようになった『AGA』という3つのアルファベットですが、いったいどういう意味なのか、はっきり理解できていない方も多いのではないでしょうか?
頭髪と同じように薄っすらとはわかっているのでしょうが、今回は正確な知識を身に付けていきましょう。
AGAとは?
AGA ・・・ Androgenetic Alopecia の略で「男性型脱毛症」。
AGA(男性型脱毛症)とは、成人男性に多くみられる脱毛症の一種で、現在では薄毛の症状がある男性のほとんどがAGAであるといわれています。
脱毛症と一口に言いましても、過度のストレスや皮膚の炎症によって生じる一時的、局部的な脱毛症もありますが、『AGA』は、私たちが聞き慣れた、使い慣れた言葉で言い換えれば、シンプルに『ハゲ』と同じ症状です。
つまり、ハゲを医学的に言い換えれば『AGA(男性型脱毛症)』というわけです。
と思われる方もいるかもしれませんが、現代では、ハゲは男性ホルモンの反応に起因してヘアサイクルが乱れてしまうことによって発症する病気であると考えられています。
AGAは男性ホルモンに起因して発症する疾患で、主におでこの生え際や頭頂部のつむじ周辺から抜け毛が発生し、時間をかけて少しずつ進行していきます。
また、AGAの進行性の疾患のため、放っておけばどんどん進行していきますので、改善するには早期の対応、治療が必要になります。
※生命に直接かかわる病気ではありませんので、現時点では保険対象外ですが・・・
AGA(ハゲ)のメカニズムについて、詳しくはこちらの記事を参照ください。
そして、その病気(AGA)はかなりの確率で改善することも証明されています。
ハゲは治ります。では、AGA治療とは何をするのか?
今では日本全国にかなりの数のAGAの専門クリニックやAGA治療を行う病院があり、競争の激しい市場になっています。
そのため、どの施設も差別化を図ろうとしのぎを削っていますが、基本的にどこでもやること(治療法)は同じです。
専門クリニックに通おうが、地元の病院でAGA治療を受けようが、海外製品を個人輸入代行業者から購入しようが、ハゲを改善するためにやることは同じです。
なぜなら、
ということが解明されており、その原因にアプローチすることで薄毛が改善することも証明されているからです。
まず、AGA治療において必ず処方される薬が2種類あります。
一つは、ミノキシジル、もう一つは、フィナステリドもしくは、デュタステリドという成分を含む薬が必ず処方され、嘘みたいな話ですがそれを数か月間服用を続ければ、薄毛は改善されます。
では、その2種類の薬について解説していきます。
AGA治療薬 ミノキシジル
ミノキシジルとは本来は、血管拡張作用を有するで成分で降圧薬(高血圧症の患者の血圧を下げる薬)として使用されていました。
ですが、その副作用として“髪の毛を含む体毛が増える”という現象が起きたため、そこに着目して、育毛・発毛剤やシャンプー、AGA治療薬として使用されるようになった成分。
本来は降圧剤として使用されていた成分なのですが、体毛(髪の毛を含む)が増えるという副作用を、
という発想の転換によって生まれた治療薬です。
シャンプーに配合されたり、液状タイプ、スプレータイプの育毛剤、発毛剤にも含まれている成分ですが、頭皮からの吸収率は低く、正直なところ満足のいく効果は期待できません。
そこで、AGA治療薬としては、錠剤(タブレット)で処方されます。
頭皮に塗って毛根から吸収するよりも、錠剤として体内に取り込み、血液によって送り込む方がはるかに吸収率がいいということです。
身体が必要とするエネルギーや栄養は血液によって届けられますが、毛細血管(細くて血流が悪くなりやすい)が集中する頭部(頭皮)には十分な栄養が行き届いていない場合が多くあります。
そこで、ノキシジルが持つ血管拡張効果で毛細血管を広げ、血液の流れをスムーズにすることで、髪の毛に栄養が行き届かせ、髪の毛の元となる毛乳頭や毛母細胞を活性化させるのです。
また、髪の毛の成長を促す毛乳頭細胞に働きかけ、ヘアサイクル(毛周期)を延長させる働きも認められています。
これらの作用によって、ミノキシジルは発毛を促進させてくれるのです。
わかりやすくまとめると・・・
ミノキシジルが持つ血管拡張作用によって頭皮の毛細血管が拡張する。
➡毛細血管が拡張することによって血行が良くなり血流(血液を送り込む量)が増える。
➡送り込む血液量が増えたことによって十分な栄養が毛髪に行き渡る。
➡毛母細胞が活性化して発毛効果に繋がる。
このようにして、ミノキシジルは発毛を促進させてくれる成分なのです。
続いて、もう一種類、フィナステリドもしくは、デュタステリドという成分を含む薬品と併用することになります。
AGA治療薬 フィナステリド、デュタステリドを含む薬品
フィナステリド、デュタステリドには、AGAの原因となる男性ホルモンの合成を阻害し、ヘアサイクルの乱れを防止するという効果があります。
これもミノキシジルと同様に成分が開発された当初はAGA治療とは異なる目的で使用されていました。
フィナステリド、デュタステリドともに、前立腺肥大症の治療薬の有効成分として使用されていたのですが、副効果として薄毛の改善効果があったことから、AGA治療薬としても使われるようになった成分になります。
ここで、AGAのメカニズムについて少し掘り下げて解説しますと・・・
テストステロンという男性ホルモンが頭頂部や前頭部の毛根付近に存在する『5αリダクターゼ』という還元酵素と結びつく。
➡テストストロンと5αリアクターゼが結びつくことによって悪玉男性ホルモンと呼ばれる『DHT(ジヒドロテストステロン)』に変換される。
➡ジヒドロテストステロン(DHT)の作用を受けて、頭頂部や前頭部の毛髪のヘアサイクルが乱れてしまう(通常は2~6年ある髪の毛の寿命を大幅に短縮される)。
➡ヘアサイクルの乱れによって、毛髪が十分に育たないまま抜け落ちてしまう。
➡ハゲてしまう。
AGAはこのような過程で発症するのですが、フィナステリド、デュタステリドにはその工程の中の、『5αリダクターゼ』という還元酵素がテストステロンと結合するのを阻害する働きがあります。
その働きによって、『DHT』の発生を抑え、ヘアサイクルの乱れを正常に戻し、薄毛を改善(抜け毛を防ぐ)というわけです。
イメージとしては・・・
この図の流れを、フィナステリド、デュタステリドの効果によって・・・
上の図のように、『DHT(ジヒドロテストステロン)』が発生しないように、『5αリダクターゼ』と『テストステロン』が結合するのを阻害するのです。
ミノキシジルがを『攻め(発毛)』の薬品とすると、フィナステリド、デュタステリドは、『守り(抜け毛防止)』の薬品といった感じですね。
この二種類の薬品を服用するということは、あなたは、剣(攻めのミノキシジル)と盾(守りのフィナステリド、デュタステリド)を手に入れたようなものなのです。
これで、憎きハゲ(AGA)と戦う準備は万全というわけです。
まとめ
これ(ミノキシジルとフィナステリド、デュタステリドの併用)が、現在主流となっているAGA治療法になります。
将来的により効果的な治療法が見つかる可能性はありますが、現在では最高の効果が確認されています。
経済的に余裕があって、都会に住んでいる方であれば、やはり経験値の高い専門クリニックに通ってミノキシジルなどの薬品を処方してもらうのがいでしょう。
田舎暮らしの方でも、経済的な余裕とネット環境さえあれば、専門クリニックでのオンライン診察によって薬品を処方してもらうことができます。
経済的な余裕がない方は輸入代行業者を通して手に入れることもできますが、副作用や体質や持病との関係性など、問題が付いて回りますので、専門医の指導のもとでAGA治療を受けましょう。
せっかくハゲを克服できても、健康を害してしまっては意味がありませんからね。
AGA治療は、安心、安全に取り組んでくださいね。