古くから、『酒は百薬の長』ということわざがあるように、適度な飲酒であれば、一時的に血行もよくなりますし、ストレス解消にもなって、お酒はどんな薬よりも優れた薬と言えるでしょう。
ですが、残念なことに少なからずAGA(ハゲ)に悪い影響を与えてしまいます。
今回は、飲酒とAGAの関係性について解説していきますね。
飲酒(アルコール)がAGAに与える影響とは?
体内でのアルコールの分解、代謝について
飲酒によって体内に入ったアルコールは、胃と小腸で吸収されたあと、肝臓に送られます。
そこで、ADH(アルコール脱水素酵素)によって有害なアセトアルデヒドに分解され、続いてALDH(アセトアルデヒド脱水素酵素)によって無害な酢酸に分解されます。
その後、肝臓の働きによって分解された酢酸は血液によって全身を巡り、筋肉や脂肪組織で二酸化炭素と水に分解され、呼気や尿となって体外へ排出されます。
ですが・・・
肝臓で分解しきれなかった(分解が間に合わなかった)アセトアルデヒドは、酢酸と共に血液によって全身を巡り、もう一度肝臓に戻ってきます。
飲酒中に吐き気や頭痛がしたり、気分が悪くなることがありますよね。
それは、毒性の強いアセトアルデヒドが全身を巡ることによって引き起こされているのです。
二日酔いでの体調不良も同様に、分解できていないアセトアルデヒドが、、翌朝になってもなお、体内を巡っている状態ということです。
また、アルコールを分解する際には、大量の水分を必要とするだけでなく、利尿作用もありますので、アルコールを大量に摂取すると体内の水分量が減少します。
たくさん飲んだ翌朝、目を覚ますと喉がカラカラになっていたことがありますよね。
それはアルコールの分解によって起こる現象です。
また、身体の水分が不足するということは、血液にも影響を与えます。
血液の約80%は水分ですので、水分不足によって血液の量も減り、濃度が濃くなることで血流が悪くなります。
そうなると、全身に血液(栄養や酸素)が行き渡りにくくなり、髪の毛の成長を妨げる可能性もあります。
また、肝臓はアルコールを有害なものだと判断して、優先的にアルコールを分解するために働きます。
ということは、その間は髪の栄養となるたんぱく質などの代謝もストップしますので、お酒のおつまみとして、いくら髪の毛にいい物を食べても意味はありません。
代謝できずに、ただただ体脂肪として蓄積されるだけになってしまいます。
さらには、飲酒は睡眠の質を低下させますので、当然成長ホルモンの分泌量も減少し、髪の発育には悪い影響を与えます。
ここまでは、アルコールがAGAに与える悪影響としては、あくまで間接的なものですが、過度の飲酒は直接的にAGAに影響を与えもします。
アセトアルデヒドが、DHT(ジヒドロテストステロン)を増加させる!?
アルコールがAGAに与える直接的な影響とは、
ですが・・・
厄介なことに、肝臓で酢酸まで分解しきれずに、体内を循環するアセトアルデヒドには、DHT(ジヒドロテストステロン)を増加させる作用があるのです。
DHT(ジヒドロテストステロン)とは、ヘアサイクルを狂わせ、AGAを引き起こす悪玉男性ホルモンでしたね。
このことが飲酒とAGAを結びつける決定的な要因なのです。
だったら、どうすれば・・・
AGAを気遣うなら、飲酒時に注意すべきこと
肝機能の働きには個人差がありますが、アセトアルデヒドが分解しきれずに、体内を廻らないように、アルコールの分解が間に合うだけの、飲酒量にすればいいのです。
飲むペースを抑えるとか、水(チェイサー)を飲みながら、血液中のアセトアルデヒドの濃度が高くならないように気を付けるのもいいでしょう。
肝機能を悪くしてしまえば、治療薬の服用自体が困難になってしまいますので、肝機能に不安がある方は、少しだけでも飲み方を考えてみてはいかがでしょうか。
まとめ
飲酒は普段では言えないことが言えたりしてストレス発散となり、精神衛生上めざましい効果がありますし、コミュニケーションツールの一つと言ってもいいでしょう。
ですが、何事にも限度というものがあります。
冒頭で『酒は百薬の長』ということわざを挙げましたが、この言葉は、中国の前漢の時代を記録した歴史書である『漢書』に書かれた『酒百薬之長』という一節が由来とされています。
そして、実は続きがあるんです・・・
『百薬の長とはいへど、万の病は酒よりこそ起れ』
(酒は百薬の長とはいうけれど、多くの病気は酒から起こっている)と・・・
肝臓の働きに限度がありますし、AGA治療薬を服用してハゲを克服するには、肝臓は最も重要な器官ですからね。
私もお酒は大好きですが、ほどほどにしましょう。